Title:4 1日目(唐田えりか)
翌朝、わたしのマンションで二人、目を覚ました。
ゆっくり朝を一緒に過ごしたいと思ったが、
彼はわたしを抱きしめ、キスをすると
「また、連絡するね」と部屋をあとにした。
一人、残されたわたしは、
部屋の窓を開けた。
秋晴れの空が広がっている。
昨夜のことが、まるで夢のようだった。
というか、この数か月の撮影の日々自体が、
全てわたしの夢のように感じられた。
わたしは、フィルムカメラで撮った
現場の写真を数々を眺めるなどして、
一日を過ごした。
燃え尽き症候群、とでもいうのだろうか。
夜は、久しぶりに姉と食事に出かけた。
「大人っぽくなった」と言われた。
帰宅し、そろそろ寝ようと思っていたところ、
彼から電話があった。
雑誌の仕事を終えて帰宅するところらしい。
他愛ない会話をして、2日後に会う約束をして
電話を切った。